大阪万博は「未来社会を描く場に」なるか

約半世紀の時を経て、オールジャパンで誘致に挑む

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 大阪府などが誘致を目指す2025年の国際博覧会(万博)誘致委員会の設立総会が27日、都内で開催された。誘致委会長を務める経団連の榊原定征会長は冒頭あいさつで、第4次産業革命「ソサエティー5.0」に言及し、「持続可能な経済社会システムを世界に提示し、世界が直面する課題を克服した未来社会を描く場、ソリューションを発信する場としたい」と意欲を示した。

 日本は閣議了解を経て、博覧会国際事務局(BIE、本部=パリ)に5月下旬までに登録を申請。18年11月のBIE総会で開催地が決定する見通しだ。当面の誘致活動としては、17年6月に開催されるBIE総会で、関西地域の魅力や優位性を加盟国にアピールすることとなる。

 榊原会長は「関西だけのイベントではなくナショナルプロジェクト、オールジャパンで取り組まなければならない」と話す。

日刊工業新聞2017年3月28日



「関西」は盛り上がるか


 2025年の万国博覧会の大阪誘致が昨年末、国家的なプロジェクトとして位置づけられた。新年にあたり、関西の行政や産業界は自らが誘致機運を醸成し、盛り上げる決意を新たにしてもらいたい。

 長期の地盤沈下は地方経済の共通の悩みだ。関西も例外ではない。地元企業の本社機能が東京に移転し、関西に来る学生より流出する学生の方が多いなど縮小傾向が止まらない。

 格安航空会社(LCC)を活用した訪日外国人旅行者の数は伸びているが、いまだに東京に集中するヒト・モノ・カネ・情報の流れを止められない。

 そんな中で、国による万博誘致が本格化したことは関西にとっては朗報だ。また先の臨時国会で、万博開催に大きく関係してくる統合型リゾート(IR)法が成立した。カジノそのものには産業界にも賛否があるが、外国人客にとって魅力的な施設を整備することは重要だ。

 さらに昨年はリニア中央新幹線の大阪開業の最大8年前倒しが決まり、敦賀以南の北陸新幹線が小浜―京都ルートで決着した。大阪市内に目を転じればJR大阪駅北側の「うめきた」やビジネス中心地「中之島」の再開発が注目されている。「関西経済が再浮上するチャンスが数多く見られる」と関西経済同友会の蔭山秀一代表幹事は話す。

 しかし最も大きなチャンスとなる万博誘致については、いまひとつ盛り上がりに欠けているのが実情だ。本来なら鉄道もリゾート施設も万博を絡めた大きなビジョンを描きつつ整備を進めるべきだが、一般住民にそうした新たな価値を伝え切れていない。また万博の多大な費用負担が、地元産業界の足並みを乱れさせている。

 万博誘致の主導権は今後、国に移る。とはいえ地元に熱意がなければ先日、ライバルに名乗りを上げたフランス・パリに勝てるかどうか疑問だ。

 誘致を成功させるには、関西の行政や産業界が早期に一枚岩となり、機運の醸成を図るべきだ。それでこそ内外の支援を獲得できる。2017年は、行動を始める年だ。

日刊工業新聞2017年1月5日

COMMENT

松井里奈
イベント事業部
副部長

関西出身者としては、関西が盛り上がるイベントが開催されることは嬉しいが、東京五輪のように開催が決まってから混迷することだけは避けてほしいものだ。

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