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和牛で外国人の胃袋をつかめるか―柿安本店が銀座に高級料亭

和牛で外国人の胃袋をつかめるか―柿安本店が銀座に高級料亭

賑わいをみせる銀座四丁目

 柿安本店は今夏、東京・銀座に高級料亭「銀座別邸(仮称)」をオープンする。設備、サービスともに柿安の約360店舗の旗艦店と位置付けており、客単価は2万円前後を予定。日本人客と並んで、銀座を訪れる外国人の利用も見込む。和食の世界無形文化遺産登録に続き、2020年の東京五輪・パラリンピック開催で”和牛“への関心が高まることが予想される。これをビジネスチャンスとみて、旗艦店で本物の味をアピールする。

 柿安本店にとって、イタリア・ミラノで15年5月に開かれた食品国際博覧会「ミラノ万博」ブース出店に続く、国際化の取り組みになる。柿安本店は和牛の代表ブランドである松阪牛を使用した精肉店舗やレストランを駅ビル、百貨店食品フロアなどに展開している。旗艦店の来店客数と知名度を上げることで、国内他店舗の売り上げ増にもつなげる。

 環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意で、和牛の輸入関税も引き下げることが決まっている。松阪牛のブランドを持つ同社にとって、追い風になる。赤塚保正社長は「今すぐにではないが、ゆくゆくは欧米の主要都市に和牛レストランを開きたい」意向を持っている。旗艦店の海外展開を通じ、和牛輸出にもつなげたい考え。
日刊工業新聞2016年4月21日 建設・エネルギー・生活1面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
柿安といえば、松阪牛を使用した精肉店やレストランを駅ビルや「デパ地下」で見かけた人も多いはず。本物志向の外国人にとって2万円は高くないかも知れません。

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