AI、テレビ番組見て自然な会話を学習

NTTレゾナント、日本テレビとAI試作

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試作したAIの活用イメージ。家庭用ロボットが自然に会話しながらオススメの商品などを紹介する
 NTTレゾナント(東京都港区、若井昌宏社長、03・6703・6000)は、人と自然に会話する人工知能(AI)の開発に取り組んでいる。日本テレビと共同でテレビ番組を基に人の会話を学習させ、チャットで自然に会話するAIを試作した。無理のない会話をしながら、会話の流れに沿って商品やサービスを違和感なく紹介できるため、新たなマーケティングツールなどとして活用できそうだ。

 「カレーと言えばテレビ番組で〇〇というお店が紹介されていたよ」―。試作したAIに「カレーが食べたい」とチャットで問いかけた際の返答例だ。自然な会話の中で利用者に気づきを与える。ある問いかけに対して一問一答形式で答えるのではなく、それ以前の会話を踏まえて返答できる点も特徴の一つだ。

 NTTレゾナントと日本テレビは2016年秋にAIの共同研究を始めた。NTTグループのAI「corevo(コレボ)」を基に、日本テレビの番組に出演するタレントらの会話を文章化して学習させた。「過去数年間に放送した(ドラマやバラエティーなど)多様なジャンルの番組のデータを活用した」(日本テレビ技術統括局技術開発部)という。

 NTTレゾナントスマートナビゲーション事業部サービステクノロジー部門の池田成宏主査は「人と人が多様な分野について会話しているデータは少ないため(テレビ番組から抽出したデータは)貴重」と説明する。企業が持つFAQ(頻繁に尋ねられる質問)データのような一問一答の対話データは少なくないが、そうしたデータだけでは人と自然に会話できるAIは実現できなかったという。

 さらに試作したAIは、食べ物の分野の単語などが会話に登場した際、料理やレストランを紹介するアルゴリズムを導入した。そうしたアルゴリズムを多様な分野に組み合わせて応用することで、利用者と無理なく会話しながら、会話に沿って利用者に合った商品などを提案できるようになる。

 一方で試作したAIは会話が破綻するケースがあった。例えば「おなかが空いた」と話しかけると「ご飯は何?」と返すなど、独り言の続きのように返答するケースがあった。これはテレビ番組内で、1対1の会話ではない発言を含めて学習させてしまったため起きたという。今後データを整理し、AIの精度を高めていく。

 NTTレゾナントはAIを活用した自社サービスの価値向上を積極化している。16年9月にはQ&Aサイト「教えて!goo」において、利用者の恋愛相談にAIが答えるサービスを始めた。新たに試作したAIも早期の活用を模索している。
(文=葭本隆太)

日刊工業新聞2017年3月22日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

自然な会話をしていると思いきや、特定の商品を勧められているというのはちょっと怖いですね。

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