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スマホ特需再来か。工作機械受注に異変

2月は比9・1%増。主役はアップルやサムスンではなく
スマホ特需再来か。工作機械受注に異変

主役はアップルではない

 日本工作機械工業会(日工会)がまとめた2月の工作機械受注実績(速報値)は、前年同月比9・1%増の1112億1700万円だった。前年同月を上回るのは3カ月連続。外需が同12・1%増の706億7400万円で全体を押し上げた格好だ。700億円台は15年7月以来の19カ月ぶり。自動車やスマートフォン(スマホ)関連の特需があったとみられる。スマホ向けとなれば、今回の高水準が数カ月継続しそうだ。

 全体額は、2カ月ぶりに1100億円台になった。内需は前年同月比4・3%増の405億4300万円に落ち着いた。増加は2カ月ぶり。設備投資を支援する政府補助金の採択を待ち、投資を先送りする動きが続いている。3、4月には解消されそうだ。

 15年7月はスマホ特需によって、外需が700億円を超えた。今回もスマホ向けの大口受注があったとみられる。ただ、この分野に強いツガミは同月の外需がほぼ倍増したが、「スマホのような特殊な要因ではない」(ツガミ管理部)としている。スマホ以外の大口受注では、ジェイテクトが米国で自動車向けの案件をまとめた。
月1000億円が健全ラインとされる

主要企業の外需はまだら模様



日刊工業新聞2017年3月10日
六笠友和
六笠友和 Mukasa Tomokazu 編集局経済部 編集委員
日本の工作機械が米アップルや韓国サムスンのスマホの生産に使われてきました。スマホ生産を受託したEMSが、新モデルの発売間近に大がかりな設備投資をするのですが、これがスマホ特需とされます。ところがすでに設備投資は一巡し、さらに中国メーカーの極めて安価な工作機械が使われるようになったと言われています。今回の特需の大きなハネの正体はなにか。日工会は16日の確報で詳細を明らかにします。

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