世界がソニーで“ワオ!” ロボットか未来家電かそれとも事業売却?
ようやく“普通の会社”に。「新たな挑戦を加速すべき時が来た」(平井社長)
映画は売りません
ソニーは2日、2017年3月期連結決算業績予想(米国会計基準)の下方修正を発表した。16年10―12月期に計上した映画事業での減損処理1121億円が響き、各利益段階で引き下げる。営業利益は従来予想比300億円減の2400億円(前期比18・4%減)、当期利益は同340億円減の260億円(同82・4%減)を見込む。
同日、吉田憲一郎副社長は映画事業の減損について「経営として反省し重く受け止めている」と謝罪した。ただ著作権を他分野に活用するなど、成長できる余地が大きいと判断しており「事業を売却する可能性はない」(吉田副社長)という。財務体質の改善などで収益力を強化する。
映画事業では、先行きが不透明なことから18年3月期に売上高95億―105億ドル、営業利益率6―7%にする目標も下振れる見通し。ただ全社目標の営業利益5000億円については「チャレンジングだが、達成に向けて全力を尽くす」(同)としており、目標を堅持する方針。
半導体事業は17年3月期に530億円の営業赤字を予想していたが、190億円に圧縮する。中国のスマートフォンメーカーへの拡販などが功を奏し、イメージセンサーの販売が大幅に増えているためだ。ただ「アナログLSIなどで事業継続性を精査している」(同)としており、構造改革費用を17年1―3月期に盛り込む。
モバイル事業は中南米や中近東で販売が低迷した。だが吉田副社長は「(固定費の削減効果などにより)通期黒字の実現可能性はある」と話した。
日刊工業新聞2017年2/1/2/3日