第2弾!業界紙でしか見れない決算まとめ。押さえておきたい6業種
エンジから石油、非鉄、製紙、総合商社、生保まで
非鉄7社、通期は円高・銅価安見込む
非鉄金属大手7社の2017年3月期連結決算業績予想は全社が減収となる見通し。下期(10月−17年3月)も円高が続くと見込み、海外事業の為替差損を織り込む。経常利益予想は円高に加え、「銅価格の急騰は投機的で一過性。最大消費国の中国需要に変化はなく弱含みが続く」(住友金属鉱山の緒方幹信取締役)とみて、JX金属、住友鉱、三菱マテリアル、古河機械金属の4社が下方修正した。
ただ、住友鉱はステンレス向けニッケル価格が回復し、資源と製錬のセグメント利益予想は上方修正した。三菱マテの経常利益は金属事業がほぼ横ばいだが、超硬工具や電子材料の低迷が響く。
金属価格が各社の想定を上回る亜鉛を扱うDOWAホールディングス、東邦亜鉛は業績予想を据え置いた。
16年4―9月期連結決算は全社が減収、5社が経常減益。円高や銅価格の低迷、中国向け工具や自動車部品の減販などが響いた。
日刊工業新聞2016年11月15日
製紙7社、洋紙市況の軟化響く
主要製紙7社の2016年4―9月期連結決算が14日出そろい、洋紙市況の軟化で大手の王子ホールディングス(HD)と日本製紙を含む5社が減収となった。板紙が主力のレンゴーと、海外事業で新規連結があった北越紀州製紙は増収を確保。各社は国内市場で15年度初め、洋紙の値上げに踏み切ったが、その分が需要縮小でほぼ帳消しになっている状況だ。
板紙や家庭紙、紙おむつなどの加工品に軸足を移している大王製紙は、前年同期比で増収を見込んでいた。だが「紙おむつのインバウンド(訪日外国人)需要が減少した」(阿達敏洋専務経営管理本部長)こともあって減収に。
三菱製紙も増収見込みだったが、輸出比率が高いインクジェット用紙や印刷製版材料などのイメージング事業が円高に影響されて減収となった。
一方、利益面では円高が原燃料費を圧縮し、7社そろって営業増益。ただ、王子HDは為替差損、日本紙は米国事業の撤退損失で2ケタの経常減益となっている。
17年3月期連結決算業績予想はレンゴー、特種東海製紙を除く5社が下方修正した。
日刊工業新聞2016年11月15日
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