「トランプ大統領」へ。いろんな声集めました
社長に業界団体トップ、エコノミストまで。トヨタはどうなる?
エコノミストはこう見る
【ニッセイ基礎研究所経済研究部主任研究員・窪谷浩氏/輸出企業に大きな影響】
トランプ氏不利という事前予想とは反対に、フタを開けば議会選ともに共和党の圧勝となった。クリントン氏のメール問題が再浮上したことが転機となり、不利とされたトランプ氏が持ち直し、勢いが持続したのだろう。
ただ、トランプ氏の政策は通商政策一つとっても共和党の主流派と隔たりが大きく、実現不可能なものが多い。TPPの空中分解も避けられないだろう。政策の実現性が見通せないため、金融市場はしばらく乱高下が続く可能性が高い。
円が1ドル=100円割れまで進んだ場合、輸出企業を中心に日系企業の業績に大きな影響が出るだろう。日本経済への影響は避けられない。
【第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト・永浜利広氏/米国政治に停滞リスク】
英国の欧州連合(EU)離脱に加え、トランプ大統領誕生が物語るように世界は内向きになっている。グローバル化のプラスの側面よりも、マイナスの側面が浮き彫りになった格好だ。こうした潮流は続くだろう。
日本企業の活動にも影を落とす可能性が高い。当面は1ドル=100円割れ、日経平均株価1万6000円を割り込んだ状態を覚悟しなければならない。環太平洋連携協定(TPP)も白紙を織り込む必要がある。
過激な発言が目立ったトランプ氏だが、共和党の主流派とは意見が異なる面も多い。米国政治が停滞するのが現実的リスクになる。
日刊工業新聞2016年11月10日