ファナック、工場用IoTの日本代表に躍り出る
日立や富士通も吸い寄せられるプラットフォームの可能性
フィールド・システムの応用例
【ロボットの故障予知、事前に対応】
ロボットの故障を予知し、事前に対応するためのシステム。ロボット内の振動や温度といった情報をセンサーで収集し、スマートフォンやタブレット端末などで常時監視できる。
積極的な予防保全を望む顧客に対しては、工場とファナック側のデータセンターをつなぎ、情報の解析サービスを提供する。PFNの人工知能(AI)技術などにより、部品が故障する時期を正確に割り出すことが可能。サーボモーターなど主要部品の場合、故障時期が判明した時点で代替品を出荷できる。
現在、国内外で約7000台のファナック製ロボットがこのシステムの下で稼働しており、年内にもこれが1万台近くまで増える見通し。
(タブレット端末でロボットの状態を監視)
【既設CNC装置に最新機能を付与】
既に設置してあるCNC装置をフィールド・システムにつなげることで、最新の機能を付与できる。例えば、直感的に動作設定できる対話プログラミング機能。タブレット端末との連携により、キーボード入力主体の旧式CNCでも、タッチパネルが必要な同機能を利用できる。工作機械のプログラミングで一般的なGコードの入力が不要なため、作業習得時間を短縮できる。
このほか、加工の所要時間を割り出す予測機能もフィールド・システム上で利用可能にする。実値との誤差プラスマイナス5%以内で加工時間を予測し、工程計画の作成・実行を支援する。通常、これらの機能を利用するには最新のCNC用操作盤「iHMI」などが必要。
(文=藤崎竜介)