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カルビー、売ってるのはポテチだけじゃない!CO2クレジット売買で地域活性化

取引実績は500件を超える
カルビー、売ってるのはポテチだけじゃない!CO2クレジット売買で地域活性化

カルビーのCO2排出権取引サイト「EVI」


カルビー、CO2排出削減仲介サイトを開設−少量でもマッチング


 カルビーはカーボンフリーコンサルティング(横浜市中区、中西武志社長、045・222・3400)と連携し、二酸化炭素(CO2)の排出削減量(クレジット)取引を仲介するウェブサイトを立ち上げた。削減活動で創出したクレジットを専門業者以外が主体となって仲介するのは初めて。削減量が少なく取引しにくいクレジットと、少量でも購入したい企業をマッチングし、取引を活性化させる。

 サイト名は「JCCP」。国の「J―クレジット」制度を活用し、中小企業や自治体が省エネルギー機器を導入して創出したクレジットを扱う。売却希望者はクレジットに価格を付けて掲載する。

 J―クレジットの既存サイトは、価格を応相談と表示しているクレジットが大半。このため購入者は価格を問い合わせるのが手間だった。売却側も問い合わせへの応対が不要で、気軽にクレジットを販売できる。

 カルビーは森林整備で創出したクレジットを扱うサイトを運営している。クレジット売買に関わった企業の商品デザインを支援する事業も手がけており実績ができたため、企業活動によるクレジット販売にも乗り出す。

 サイトのオープン当初はクレジット仲介業のカーボンフリーが保有するクレジットを売り出す。同業者の掲載も可能。

 温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の採択で、大口クレジットは、発電に伴う排出量を減らしたい電力事業者からの引き合いが急増している。

日刊工業新聞2016年6月9日 総合1面

松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
恥ずかしいのですが、カルビーがCO2排出権(クレジット)取引を仲介していると知ったのは、最近です。ただ仲介料目当てではないのが、ポイントです。森林整備にお金を回すこと、環境に配慮した製品を売ることの2つの目的を達成するために、仲介サイトのスキームを考えました。それが地方活性に発展しました。

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