中国などからの鉄材輸入急増、鉄連会長「実効性ある通商措置を」
日本鉄鋼連盟の今井正会長(日本製鉄社長)は25日の定例会見で、中国などからの鋼材輸入の急増に対する通商措置について「他国、他地域の輸入状況を踏まえ、より実効性を重視したものにしていただきたい」と述べた。政策要望案の詳細は検討中だが、経済産業省と相談しており、財務省や外務省が関わるテーマとも捉えているという。時間をかけずに有効な施策を打ち出す重要性を強調した。
今井氏は日本だけが措置を講じない場合、「国内のサプライチェーン(供給網)の維持や、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)対策でも影響が出るのではないか」と懸念を示した。2025年度の国内粗鋼生産量は24年度比で微増の見通し。
一方、今井氏は日鉄社長の立場から、米鉄鋼大手USスチールの買収計画の是非に関する最終判断をバイデン米大統領が行うことについて「(USスチールの)製鉄所が所在する地域社会でも賛同の意見が広がっている。買収による米国経済への本質的な価値を大統領に理解してもらえれば、承認されるのではないか」と語った。
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日刊工業新聞 2024年12月26日