交通規制を低減…名神高速工事に導入、鹿島「UFC道路橋床版」の効果
鹿島は超高強度繊維補強コンクリートによる「UFC道路橋床版」を、幅員方向分割(2車線道路の場合1車線規制)で施工する「名神高速道路(特定更新等)河内橋他1橋床版取替工事」に導入した。高速道路本線の床版取替工事において、幅員方向分割でのUFC道路橋床版の導入は国内で初めて。車両が通行できるため、交通規制などによるソーシャルロスを低減する。
UFC道路橋床版は疲労耐久性に優れ、高速道路橋の床版取替工事で既設の鉄筋コンクリート(RC)床版からの取り換えで使うプレストレストコンクリート(PC)床版より薄く軽い。このため床版取替に伴う道路面の高さ調整が不要で、鋼桁の補強を最小限に抑えられる。
同工事では1期・2期工事ともに、上り線と下り線で同時にそれぞれ29メートル、11枚の床版を1日で架設した。高速道路本線で車両の通行止めを行うことなく1車線規制のみで床版取り換えを完了させたことで、交通規制に伴うソーシャルロスを低減できた。
同社は今後、今回の工事で得た知見をもとに技術開発を一段と推進。高速道路の大規模リニューアル工事において、UFC道路橋床版を使った幅員方向分割取り換えの導入拡大を目指す。
日刊工業新聞 2024年12月19日