国内最大級…関電・オリックス、和歌山で「蓄電所」
関西電力とオリックスは両社にとって初の蓄電所となる紀の川蓄電所(和歌山県紀の川市)の運転を始めた。両社の折半出資会社が保有し、オリックスが運営する。定格出力4万8000キロワット、定格容量11万3000キロワット時で、国内最大級。充放電によって電力需給の安定化に貢献し、再生可能エネルギーの普及を後押しする。
TMEIC(東京都中央区)製のリチウムイオン電池(LiB)システムを64台設置。関電子会社のE―Flow(大阪市中央区)を通じ卸電力市場、需給調整市場、容量市場で電力を取引する。1日1サイクルの充放電で、一般家庭約1万3000世帯の1日の電力使用量に相当する。
再生エネは天候で発電量が大きく変動するため、普及が進むと系統が不安定化する恐れがある。関電の藤野研一副社長は「調整力としての火力発電所が減り、蓄電所に光が当たってきた」と説明。今後、再生エネの発電所が多い九州、北海道、東北などでも蓄電所事業を検討する。
政府は系統用蓄電池の導入が、2030年に最大約2380万キロワット時まで進むと見込んでいる。
日刊工業新聞 2024年12月02日