全固体電池材料を評価、HIOKIがEV用システム
HIOKIは電気自動車(EV)用全固体電池の研究開発向けに、粉体インピーダンス測定システムを発売した。全固体電池材料の評価と、溶媒を使わず粉体材料を直接加工して電極を作成する「ドライプロセス」の検証に不可欠な主要パラメーターを同時に測定可能。材料評価の安全性やコスト効率を向上する。販売価格と販売目標は非公表。
小型のプレスユニットと複数の計測ユニット、統合ソフトウエアで構成し、グローブボックス内で測定が完結する。プレスユニットはグローブボックスに簡単に設置でき、吸湿による測定対象の変質リスクも低減できる。評価コスト削減に加え、作業時間を短縮でき、実験の試行回数も増やせる。
全固体電池については硫化物系や酸化物系、ハライド系など多様な材料が検討されている。これらの材料は湿気に触れると有害ガスの放出や水分による変質を起こすことがあり、安全に取り扱うために管理した環境が必要となる。このため、グローブボックス内に設置できる小型プレスユニットを含むオールインワンの測定システムを開発した。
日刊工業新聞 2024年11月6日