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全固体電池を開拓…マクセル、新事業・M&Aに最大100億円

全固体電池を開拓…マクセル、新事業・M&Aに最大100億円

マクセルは全固体電池分野の新製品開発などに投資する(同社のセラミックパッケージ型の全固体電池)

マクセルは2024―26年度の3年間に、新製品開発やM&A(合併・買収)など戦略的な投資に最大100億円規模を投じる方針を示した。BツーB(企業間)向け新製品開発に投資して新規事業を創出する。全固体電池分野で耐熱性を高めつつ容量を大きくする技術を確立し受注獲得を目指す。一方、M&Aの対象は技術や製品を補完できる企業を視野に入れる。

マクセルは24―26年度の中期経営計画を公表し、その中で増産投資など成長投資枠として前中計(21―23年度)に比べて約2倍となる350億円程度を設定した。中村啓次社長は「成長投資のうち2―3割を新製品などの開発やM&Aに充てる方針」としており、70億―100億円程度を投じる。新事業創出を目的とした投資の内訳は今後詰める。

新規事業としては全固体電池のほか、電気自動車(EV)の軽量化などに寄与する発泡成形技術、電子機器の誤動作を防ぐ電磁環境適合性(EMC)対策部材などを想定する。

このうち全固体電池は30年度に売上高300億円の目標を掲げており、30年度までには累計100億円規模を投資する計画。耐熱性の高さを求める顧客の要望を踏まえ、150度Cの環境下で使える全固体電池を作る技術を開発しており、今後は製品化に向けて市場調査や潜在顧客の発掘に注力する。

M&Aの対象となる技術も検討している。例えば全固体電池におけるエナジーハーベスト(環境発電)を可能にするための技術などを挙げており「オプション(選択肢)の一つとして考える」(中村社長)としている。


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日刊工業新聞 2024年7月3日

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