枯渇の懸念…TSMCなど地下水調査、半導体製造向け持続可能な利用探る
台湾積体電路製造(TSMC)と同社生産子会社のJASM(熊本県菊陽町、堀田祐一社長)は、熊本大学、熊本県立大学と地下水保全に関する共同研究を始める。半導体製造工程で用いる熊本県内の地下水について、センサーなどを用いた水位観測や地下水の流動解析を実施する。地下水資源の持続可能な利用につなげる狙い。
共同研究はTSMCが世界の大学と環境問題に関する研究開発を推進する「Green Joint Development Project(グリーンJDP)」の初の事例として取り組む。TSMCの進出で半導体産業の集積が進む熊本県では、住民などから通勤時の交通渋滞のほか、地下水の枯渇が懸念されていた。
熊本県立大の黒田忠広理事長(写真右)は「住民の不安にはサイエンスで答えを出すべきだ」と述べ、自然との共生や地域の持続可能な発展に向け意欲を示した。
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日刊工業新聞 2024年10月16日