国交大臣賞グランプリ…麻布台ヒルズ、下水熱有効利用の仕組み
森ビルと東京電力エナジーパートナーが共同で設立した「虎ノ門エネルギーネットワーク」(東京都港区、中島慶治社長)は、麻布台ヒルズ(同区)における「地域冷暖房の熱源に下水道管から回収した下水熱を利用する国内初の事例」で2024年度(第17回)国土交通大臣賞〈循環のみち下水道賞〉グランプリを受賞した。
麻布台ヒルズ(区域面積約8・1ヘクタール)の敷地内に整備された東京都下水道局の下水道本管内に、虎ノ門エネルギーネットワークが延長約200メートルの下水熱利用熱交換器を設置。これにより、未利用かつ再生可能なエネルギーである下水熱を有効活用することを可能にした。
下水は気温に比べて「夏は冷たく、冬は暖かい」という温度特性を持つ。この熱を利用した空調システムを採用することで、一般的な空調システムを利用する場合と比べ温室効果ガス(GHG)を大幅に削減できる。下水熱を地域冷暖房に活用した例は、処理場などで下水事業者が行う熱利用を除き、民間としては国内初という。
日刊工業新聞 2024年09月05日