首里城正殿の復元工事…清水建設、デジタルツインで公開
清水建設は7日、國場組(那覇市)や大米建設(同)と共同で進める首里城正殿の復元整備工事現場の映像について、現実世界を仮想空間に再現する「デジタルツイン」を活用し、ウェブ上で公開を始めたと発表した。復元の様子を観光資源として公開する「見せる復興」の取り組みの一環で、首里城公園と清水建設のウェブサイトにそれぞれ掲載。今後は2、3カ月ごとにデータを更新していく。
施工現場を360度カメラで撮影。国が首里城公園ホームページの「首里城復興へのあゆみ」に、同社がコーポレートサイト「事業トピックス」にそれぞれ掲載している。
第1弾として公開を始めた映像では、正殿外周にある作業通路上の計105カ所で撮影した映像をつなぎ合わせ、素屋根内の空間を再現している。正殿を覆う素屋根の中にいるような感覚で作業通路を歩きながら、正殿外装の仕上がりの状況を確認できる。
復元整備工事の現場では、素屋根の一角に見学エリアを設けている。これまでは檜柱や梁の建て方、屋根の瓦葺きなどを見学できたが、内装工事が主体になると見られなくなるため、同社が制作したデジタルツインを「見せる復興」で活用することにした。
日刊工業新聞 2024年8月8日