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手話単語の正答率96%…横浜国大が開発、伸縮デバイスの性能

手話単語の正答率96%…横浜国大が開発、伸縮デバイスの性能

指の動きなどをAIで分類することができる手話認識の伸縮デバイス

横浜国立大学の太田裕貴准教授と伊佐野雄司大学院生らはGMOペパボと共同で、手に貼った伸縮デバイスで手話などのジェスチャーを識別することに成功した。指の動きなどを人工知能(AI)で分類する。手話65種の単語の正答率は96%だった。動作認識や健康状態推定などに提案していく。

デバイスは、柔軟なシリコンゴムシートに慣性センサーや電子回路を挟み、液体金属の伸縮配線で接続する。配線の接続部周辺などの硬さと柔らかさを設計して伸縮への耐久性を持たせた。

手話認識では手の甲と親指、人さし指、中指の各指に二つずつの合計七つの慣性センサーを配置した。加速度のデータをAI技術で分類すると、米国式手話の65単語の正答率は96%になった。

アルファベット26種の空中筆記を慣性センサー四つで識別すると同98%。ひもに慣性センサーを二つ配置して結び方10種を識別すると同87%だった。伸縮デバイスとAIの組み合わせで高度な識別が可能になった。

従来の伸縮デバイスはデータが不安定だった。センサーは信頼性の高い市販品を用い、硬い電子部品を柔軟な基盤と配線で伸縮可能なデバイスに統合することでデータの再現性が向上した。

日刊工業新聞 2024年8月8日

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