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1光源で200台分の大容量光通信、情通機構が成功した意義

1光源で200台分の大容量光通信、情通機構が成功した意義

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情報通信研究機構のパットナム・ベン総括研究員と古川英昭研究室長らは、一つの光源で商用光通信装置200台分の大容量光通信に成功した。光を等間隔の櫛(くし)歯(コム)状に分ける光コム技術と基準光配信技術を組み合わせた。毎秒336テラビット(テラは1兆)の通信容量を実証した。1本の光ファイバーで7500台分まで拡張可能。コストを抑えた大容量化につながる。

基準光配信技術と光コム技術を用いた通信システム

マルチコアファイバーに基準用の光とデータ通信用の光を通して光コムを同期した。まずデータ通信用の光を光コム技術で650波長に分ける。商用化されている1530ナノ―1625ナノメートル(ナノは10億分の1)に加え1460ナノ―1530ナノメートルの波長も活用した。

650波長を変調して光ファイバー一つのコアに通して受信側で復調する。基準光は別のコアを通して送り、受信側で光コム化し同期に用いる。狭帯域フィルターを用いてノイズを抑え高品質な光コムを生成した。

実験では39コアのマルチコア光ファイバーの2コアを使って毎秒336テラビットを達成した。商用光通信装置200台分に相当し、200台分の光源を削減できたことになる。

マルチコアファイバーの残りのコアを用いると毎秒12・7ペタビット(ペタは1000兆)と7500台分の大容量通信に拡張可能。毎秒12ペタビットの伝送容量は8K放送の1億2000万チャンネルに相当する。光通信システムから大量の通信用光源を省けるため、コストを抑えた社会実装につながる。

日刊工業新聞 2024年7月25日

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