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試験法変更で規制適合難しく…マツダ、小排気量ディーゼル撤退

マツダが1500cc級の小排気量ディーゼルエンジンから事実上撤退することが分かった。9月中旬で小型車「マツダ2」ディーゼル車の国内生産を終了する。既存エンジンでは、10月から継続生産車に適用される排ガスの実路走行試験(RDE)に適合が難しく、改良コストが見合わないと判断した。環境規制強化を前に、かつて一世を風靡(ふうび)した“クリーンディーゼル”小型車も転機を迎える。

RDEは2018年に、欧州メーカーの排ガス不正を受けて国内導入が決まった。一般に小排気量エンジンは出力を出すために高温で燃焼させる必要があり、窒素酸化物(NOx)が増えてしまう。

マツダ2(旧名デミオ)は1500cc級のディーゼルエンジンを搭載する唯一の車種。14年に発売したディーゼル車は、ガソリン車と比べて加速性能や燃費の良さなどから、発売後は約6割、直近でも約2割を占め、根強い支持がある。15年には同エンジンを搭載した小型スポーツ多目的車(SUV)「CX―3」を発売したが、後に1800cc級エンジンに排気量を上げた。

マツダは内燃機関の開発で、燃焼のために多くの空気を取り込む「大排気量化」で高効率化を目指す方針だ。NOxを抑制し、後処理装置も簡素にできる。最近の上級SUV〝ラージ商品群〟でも6気筒3300ccのディーゼルエンジンを新開発。海外の厳しい次世代規制も視野に入れた環境性能を実現しており、ディーゼル進化の歩みは止めていない。


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日刊工業新聞 2024年7月11日

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