ニュースイッチ

携帯電話基地局に水力発電、ドコモが実証する仕組み

携帯電話基地局に水力発電、ドコモが実証する仕組み

農業用水路を用いた水力発電を柱型の基地局(左)に活用する

NTTドコモは携帯電話基地局に自家消費型の水力発電を活用する実証実験を宮崎県内で始めた。熊本県立大学の島谷幸宏特別教授が開発した「Jet水車」と水力発電システムを用いて、基地局周辺の農業用水路の水から発電した電力を基地局に用いる。実証期間は最大1年間。2025年3月までに水力発電システムで発電した電力の基地局への活用を目指す。

Jet水車は、ノズルから噴出する水の反動で水の噴出方向と反対向きにノズル自体を回転させる仕組み。発電能力は約100ワット。同水車が発電した電力を基地局で使用可能な規格の電力に変換する。水力発電システムが電力データや水力データを収集し、エネルギーマネジメントシステム(EMS)がリアルタイムで発電状況や基地局の電力状況を把握できるようにした。

NTTドコモが消費する電力の約7割を携帯基地局が占める。太陽光発電や大容量蓄電池を用いたグリーン基地局を23年度末時点で286局運用しているが、太陽光パネルの設置が難しい基地局向けに水力発電の活用を見込む。

日刊工業新聞 2024年6月6日

編集部のおすすめ