電気・水を100%自給できる“住宅”が生まれた!その仕組みとは?

スタートアップが宿泊施設として提供

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ARTHが開発したモジュール型居住施設(イメージ)

ARTH(アース、東京都中央区、高野由之社長)は電気、水など生活に必要なエネルギーを100%自給できるモジュール型の居住施設「ウェザー」を開発した。設置場所の過去の気象データから太陽光パネルなど各種設備の仕様を割り出す独自技術により、既存のインフラに接続せずエネルギーを確保する。インフラが不十分な離島などに設置し、宿泊施設として運用できる。1棟1億円。地方創生に関心のある企業や自治体向けに提案し、初年度は限定10―20棟を販売する。

ウェザーは20フィートコンテナと同等サイズのユニット6台で構成し、居住部分の面積は約52平方メートル。太陽光発電システムや蓄電池、雨水を滅菌し、生活用水として利用する濾過装置、排水処理用浄化装置などを備える。

独自開発し、特許を取得したエネルギーシミュレーション技術を採用し、設置地点の過去30年分の気象データを解析。エネルギーの完全自給に必要な太陽光パネルや蓄電池、断熱材など各設備の仕様を決める。場所ごとに建物の仕様をカスタマイズして提供する。

電力系統への接続や水道の引き込み工事が不要なほか、工場で施設を製造してから運搬・設置するため、現地での大規模な開発工事が不要で工期が短く、環境負荷をかけずに済む。

これまでインフラが不十分で人の滞在が難しかった離島や絶景地に設置し宿泊施設として利用できるほか、災害時の避難所としても活用できる。当初は国内向けに提供し、中長期では海外販売を目指す。

今秋をめどに同社がが保有する静岡県西伊豆の敷地内にウェザーを設置し、宿泊施設として運用する。同施設にはトヨタ自動車の電気自動車(EV)を備え、余剰電力をEVに供給したり、緊急時に施設に電力を供給したりできるようにする。商工中金が設備投資費として6500万円を同社に融資した。

アースは宿泊施設の運営を中核に地方創生事業を手がけるベンチャー。地方創生や脱炭素に向けた企業や自治体の取り組みが加速する中、ウェザーを新たな収益の柱にする考え。新事業の参入を契機に1日付でCatalyst(カタリスト)から社名変更した。

日刊工業新聞2022年6月1日

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