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JR東日本「スイカ」で中長期戦略、『移動のデバイス』から『生活のデバイス』へ

JR東日本は4日、交通系ICカード「スイカ」の情報基盤を進化し、生活サービス分野での利用拡大を図る中長期戦略を発表した。2027年度までに「えきねっと」や「モバイルスイカ」などの約20種類の各種IDを統合しクラウドネットワークを利用した新しい鉄道チケットシステムを始める。ビッグデータ(大量データ)を分析、活用し提供するサービスを拡充する。

同日の会見で喜勢陽一社長は「スイカを『移動のデバイス』から『生活のデバイス』に進化させる」と説明。一連の施策で、生活ソリューションの営業利益を23年度の1703億円から33年度に約2倍に拡大する。各種情報を統合したシステムの稼働で、駅ビルで一定額の買い物をすると帰りの運賃を割り引くといったことが可能になる。28年度にはスマートフォン用アプリケーション「スイカアプリ(仮)」を開始し、金融や健康、学び、地域サービスと連携した機能を提供する。

併せて、7月1日付で新会社「JR東日本不動産」を設立すると発表した。27年度までに1000億円規模を投資して社有地開発や不動産の取得・開発を行い、不動産回転型ビジネスを加速する。

日刊工業新聞 2024年6月5日

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