ニュースイッチ

デジタル乗車券の導入続々…関西私鉄大手は勢揃い、JR西日本も

デジタル乗車券の導入続々…関西私鉄大手は勢揃い、JR西日本も

来年に2次元コードチケットサービスを導入予定の阪神電鉄

共通利用で便利に

関西の鉄道各社が2次元コード(QRコード)を活用したチケット(乗車券)サービスを相次いで導入する。すでに導入している近畿日本鉄道南海電気鉄道に続いて阪急電鉄阪神電気鉄道京阪電気鉄道といった大手私鉄が勢揃いするほか、JR西日本も20日、2024年10月以降にサービスを始めると発表した。2025年大阪・関西万博や30年開業予定の統合型リゾート施設(IR)などで増加が見込まれている国内外から関西への訪問者が「シームレスに利用できる」(JR西日本)ようにすることで、利便性を高める。(大阪・市川哲寛)

阪急電鉄と阪神電鉄、京阪電鉄の私鉄3社は「スルッとKANSAI協議会」に加盟する事業者が共通利用する前提で設けたデジタル乗車券「スルッとクルット」を利用して、24年6月ごろにサービスを始める。同協議会のウェブサイトでは割安な企画乗車券を発売する予定。

阪急電鉄は全87駅、京阪電鉄は京阪線5路線全駅とケーブルカーの八幡宮口駅に2次元コード対応改札機を導入する。阪神電鉄は11月からリーダーのある新型改札機への更新を進めており、西代駅を除く全駅に25年3月末をめどに設置する。乗客はウェブで事前購入した2次元コード乗車券をスマートフォンなどで表示し、自動改札機に新設された専用リーダーにタッチして乗車する。

大阪メトロは24年6月ごろに1日乗車券などで始める。地下鉄全駅やグループ会社が運行する路線バスのほぼ全路線で導入する。

JR西日本は24年10月以降に周遊券などの企画乗車券でサービスを始める。24年4月から「関西の観光を創出できるエリア」(JR西日本)とする近畿地区の221駅の自動改札機に2次元コードリーダーを順次整備する。自動改札機にリーダーを設置しない33駅では2次元コードを掲示し、乗客が読み込んで利用する。近畿圏では集積回路(IC)カード乗車券「イコカ」や「モバイルイコカ」の利用率が90%を占めるが、チケットレスサービスを一層推進する。

JR西日本は「万博を意識して周遊サービスを企画する」としており、MaaS(乗り物のサービス化)アプリケーションなどを通じて私鉄と連携した乗車券を発売する方針だ。インバウンド(訪日外国人)向けサービスも扱う予定。

異なる事業者をまたいで利用できるチケットが増えれば、相互直通乗り入れ区間以外でも乗り換えなどでの相互利用が促進できる。インバウンド需要も中国を除くとコロナ禍前と同水準に回復しており、サービス向上が関西の一層の活性化につながる。

日刊工業新聞 2023年12月21日

編集部のおすすめ