ファナックは各国・地域の防爆規格に対応し、塗装現場で利用できる世界初の防爆協働ロボットの受注活動を月内に始める。協働ロボット「ＣＲＸシリーズ」の新機種で、８月から量産を始める。防爆仕様が必要な自動車や自動車部品、家具などの塗装現場において、人との作業を可能とする。製造現場における人手不足が課題となる中、大企業から中堅・中小企業まで幅広く訴求する。

投入するのは、国際規格防爆協働ロボット「ＣＲＸ―１０ｉＡ／Ｌ　Ｐａｉｎｔ」。既存の協働ロボット「ＣＲＸ―１０ｉＡ／Ｌ」を基に防爆仕様とした塗装ロボットだ。可搬質量は１０キログラムで、リーチ（可動範囲）は１４１８ミリメートル。アームの長さを生かして、ロボット１台で自動車ドア１枚分程度の大面積の塗装を可能とする。

自動車関連をはじめ、家具など塗装の必要な製品は全て対象となる。安全柵が必要な産業用ロボットによる塗装の場合、人とロボットでそれぞれの作業を切り離す必要があった。防爆仕様の協働ロボットを投入することにより、塗装現場においても人の隣でロボットが作業可能となる。人手不足の課題解決や生産性向上につながる。

従来の協働ロボットの特徴である安全性や使いやすさ、サポート体制を維持した。防爆仕様が必要な塗装環境においても、直接アームを持って操作するダイレクトティーチで簡単に教示できる。作業者が普段塗装する際にガンを動かすようにロボットを直接動かすことで、軌跡を正確に覚えさせることができる。また直感的な教示を行えるタブレット上のアイコン命令も塗装アプリケーションに対応した。

保守についても他のＣＲＸシリーズと同様に８年間のメンテナンスフリーで、導入後のランニングコストの低減を実現する。ファナックは新機種の追加により、協働ロボットの適用範囲を拡大させる。