VRでロボット設計支援、ファナックが11年ぶりツール刷新
現実に近い肌感覚で検証
ファナックはロボットシステムの設計支援ツール「ROBOGUIDE」を約11年ぶりに刷新する。米Meta(メタ)の最新ゴーグル型端末を使用した仮想現実(VR)機能を新規に搭載。仮想空間の中で設計したレイアウトを自由視点で行き来し、ロボット同士の距離感や干渉度合いなどを確認できる。2次元(2D)でのシミュレーションに比べると、現実の肌感覚に近い形での検証が可能になる。2月に市場投入する予定だ。
ROBOGUIDEは、パソコンを使ってロボットシステムの構築や教示作業を支援するソフトウエア。3次元(3D)コンピューター利用設計(CAD)データを利用したロボットや周辺機器のレイアウト設計が可能だ。
ソフト上で作成したプログラムは実機にダウンロードできる。事前にサイクルタイムや消費電力、周囲との干渉確認などができ、立ち上げ時間を短縮できる。
刷新後の新機能の一つがVR。メタ社のゴーグル型端末「Quest2」や「Quest3」を装着して利用する。仮想空間の中を自由視点で行き来し、設計したレイアウトを確認できる。現実に近い形で検証できることから、ロボットとロボットの間の距離感や、アームなどが干渉している度合いを高精度に把握できる。
このほか、VR機能以外では、陰影を付けるなどグラフィック面を向上して視認性を高めた。また、米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ11」の利用と同じ操作性を実現し、使い勝手を向上した。
日刊工業新聞 2024年01月15日