ニュースイッチ

デジタル人材9.7万人へ、日立が活用する教育手法

日立製作所はデータサイエンティストなど高度なデジタル人材を早期に育成するため、短期集中型の新教育プログラムを8月にも本格導入する。2021年に買収した米IT大手のグローバルロジックの教育手法を活用。本来なら数年単位の教育をするところ、わずか数カ月でスキルを飛躍的に向上させる。高度デジタル人材を早期に育ててIoT(モノのインターネット)関連のソリューションを強化する。

日立はデジタル人材を成長戦略の要に位置付けており、24年度中に21年度に比べて約3万人増の約9万7000人まで増やす目標を掲げる。これにより、IoT技術基盤「ルマーダ」を中核に、製品とIT、OT(制御・運用技術)を組み合わせたソリューションの提供に力を入れる。

目標達成に向け、高度なデジタル人材を短期間で育成する。そこでグローバルロジックの教育手法を参考に、日立グループの研修機関である日立アカデミー(東京都台東区)で研修プログラムを作成し試験的に導入した。受講者のスキル向上が確認できたため、本格的な導入を決めた。

研修はデータサイエンティストと、クラウドやアジャイルのエンジニアの2コース。潜在能力のある各20人程度の受講者に対し、3―4カ月の集中講義を施す。例えばデータサイエンティストでは受講者に対し、プログラミング言語「Python(パイソン)」を使う実践的な機械学習の設計とモデル構築を短期間で集中して身に付けてもらう。

また講師や事務局、他の受講者らと交流可能なコミュニティーを整備。相互に研さんしつつ、実務レベルで通用するスキルの習得を促していく。従来は数年かけて育成するなどしていた。


【関連記事】 日立が電機業界で勝ち組になったグループ戦略
日刊工業新聞 2024年5月2日

編集部のおすすめ