戸田建設は２３日、トンネル掘削に用いるシールド機の油圧ジャッキの圧力を自動調節するシステム「Ｂｅｓｔ　Ｆｉｔ　Ｊａｃｋ」を開発したと発表した。人工知能（ＡＩ）や自動連続測量システムと連携させることで、掘進方向や姿勢を制御できる。今後、同システムを使い自動で高精度な掘進管理技術の確立を目指す。

シールド工事ではシールド機の掘進方向（向き）や姿勢（傾き）を制御し掘進する。このため複数の油圧ジャッキの中から油圧を加えるジャッキを選択し、その圧力バランスによって切羽（掘削面）の推力分布を調整し掘進する。現状はオペレーターが経験に基づいて選択するため、圧力パターンにバラつきが生じるなどの課題があった。

Ｂｅｓｔ　Ｆｉｔ　Ｊａｃｋは自動連続測量システムの結果を踏まえ、ＡＩがシールド機の最適な掘進方向や、それを実現する圧力の大きさなどを算定する。その算定値を受け、総合圧力制御を行うシステムにより全ての油圧ジャッキの圧力を調整し、シールド機を掘進する。

工事現場で同システムの実用性の検証を行った。その結果、ＡＩシステムが伝送した指示に合わせて、油圧ジャッキやシールド機の自動運転を支障なく行えることを確認した。