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ダイハツ認証不正の要因に「急成長」…風土改革は奏功するか

ダイハツ工業の井上雅宏社長は12日、業務の急拡大が認証不正につながったとの認識から、従業員の増員や異動による適正配置を進める方針を明らかにした。「この10年にトヨタとダイハツの小型車を海外で生産し新興国への輸出で急成長したが、(適正に)対処できなかった」とし、業務を改善する方針をあらためて示した。再生に向け、4月前半に組織再編や改革の実行計画を公表し、企業風土やモノづくりを改革する。

ダイハツの井上社長は親会社のトヨタ自動車との関係について「海外ではトヨタの販売力とダイハツのモノづくりが合わさったから、ダイハツは急成長した」と評価。しかしそれが開発期間の無理な短縮などを招いたとし、要員の必要な部署では増員や人員の再配置が必要とした。競争力を保てる範囲でゆとりを持たせるほか、技術に問題が生じれば先に進めない承認の仕組みも導入する。

急成長し部署ごとに機能が強まった半面、「(連携できず孤立化する)サイロ化した」弊害も挙げた。ボトムアップで現場の声を吸い上げるほか、現場と経営トップが直接対話できる仕組みも築く。取締役ら幹部と組織改革や実行計画を策定中で「4月の早い時期、前半に示したい」とした。スズキも参画する電気自動車(EV)など脱炭素化の連携事業から、2月に脱退した決定にも言及した。「先日、スズキの鈴木俊宏社長におわびした。しかるべき時にはお役に立ちたい」と将来の復帰も示唆した。

日刊工業新聞 2024年03月13日

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