三菱重工が3基完成、フランス原発向け「蒸気発生器」の全容
三菱重工業はフランス電力(EDF)から受注していたフランス国内の原子力発電所向け取り替え用蒸気発生器(SG)3基の製造を神戸造船所(神戸市兵庫区)で完了した。SGは加圧水型軽水炉(PWR)原発の重要機器。今回は仏オーネットテクノロジーズと共同で受注した計9基のうちの3基で、残り6基も順次製造する予定。
出力90万キロワットのPWR原発向けで、高さ約21メートル、総重量約330トン。低合金鋼製の耐圧容器内部に、耐食性の高いニッケル・クロム・鉄合金製の伝熱管約4500本が挿入されている。原子炉で発生させた熱を1次冷却系から2次冷却系に伝え、水蒸気でタービンを駆動させる。
三菱重工は仏、ベルギー、米国などに累計31基の取り替え用SGを納入した実績がある。EDFには2005年から累計15基を納入している。
EDFは1980年代に稼働したPWR原発について、仏政府の方針に沿って40年以上の運転も見据えてSGを順次取り替えている。
日刊工業新聞 2024年01月25日