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ビッグモーター不正請求めぐり出直し…SOMPOHD、桜田CEOが退任へ

ビッグモーター不正請求めぐり出直し…SOMPOHD、桜田CEOが退任へ

SOMPOHDは桜田氏の退任で経営体制を改め、出直しを図る

SOMPOホールディングス(HD)の桜田謙悟会長兼最高経営責任者(CEO、67)が3月末でCEO職から退く見通しになった。後任には同社の奥村幹夫社長(58)が就く。金融庁はビッグモーター(BM)の保険金不正請求をめぐる対応が不適切だったとして、週内に中核子会社の損害保険ジャパンと親会社のSOMPOHDに業務改善命令を出す予定。SOMPOHDは、桜田氏の退任で経営体制を改め、出直しを図る。

桜田氏はSOMPOHDや損保ジャパンの取締役も退き、SOMPOグループの経営から身を引く方向だ。桜田氏は旧安田火災海上保険出身で、旧日本興亜損害保険と合併する前の旧損保ジャパン社長に就任後、2010年からグループをけん引する役割を担ってきた。15年には介護事業に本格参入し、損保事業にとどまらないビジネスを拡大してきた。23年4月まで4年間、経済同友会の代表幹事も務めた。

一方、子会社、損保ジャパンの白川儀一社長(53)も1月末で辞任する見通しだ。後任には同社の石川耕治副社長(55)が就く。白川氏は23年9月にBMの不正請求問題の責任を取って辞任する意向を示しており、退任時期と後任人事が注目されていた。

損保ジャパンは、BMによる保険金の不正請求問題に加え、共同保険の価格調整をめぐっても金融庁から23年12月に業務改善命令を受けた。一連の不祥事に関し、現時点で親会社のSOMPOHDが直接関与した事実は明らかになっていないが、子会社の管理・監督が行き届いていない点が金融庁から問題視されている。二つの業務改善命令を受ける事態になり、桜田氏は退任に追い込まれたとみられる。

抜本的な統治改革は不可避 介護・海外事業の経験生かす

CEOに就任見通しの奥村氏

桜田氏からCEOを引き継ぐ見通しの奥村氏は、介護事業のSOMPOケアや海外事業のSOMPOインターナショナルHDのCEOを務めた経験を持つ。SOMPOHDは子会社の不祥事が相次いだものの、海外事業が伸び、23年4―9月期は当期利益が過去最高を更新した。国内の損保市場が頭打ちとなる中、成長著しい海外と将来性が期待される介護事業に注力する現状の方向性を変えないとみられる。

だが、抜本的なガバナンス(企業統治)改革は不可避だ。BMの保険金不正請求をめぐる外部専門家による最終報告書でも損保ジャパンの問題に対するSOMPOHDの「主体的・指導的姿勢が乏しい」と指摘された。奥村氏には業績拡大の手を緩めずに、ガバナンス強化で企業体質の改善に取り組むことが求められる。


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日刊工業新聞 2024年01月24日

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