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原子力機構など、セルロースからゲル材開発 高強度・多孔質

原子力機構など、セルロースからゲル材開発 高強度・多孔質

凍結により高強度なセルロースナノファイバーの構造ができるメカニズム(日本原子力研究開発機構提供)

日本原子力研究開発機構は木材に含まれる天然構造を持つ「セルロース」から高強度な多孔質のゲル材料を開発した。天然のセルロースと同じ構造を持つセルロースナノファイバーに低濃度の水酸化ナトリウムを混ぜ、凍らせた後にクエン酸を加えて溶かすと作れる。凍結することによって構造が変化することでゲル化することが分かった。金属や二酸化炭素(CO2)の回収材料などに応用できると期待される。

豊橋技術科学大学や東京都立産業技術研究センター、明治大学との共同研究。成果は化学系の国際科学誌電子版に掲載された。

開発したゲル材料は圧縮負荷をかけると水を放出しながら10分の1以下の厚みにつぶれるほどの柔らかさを持つが、負荷を除くと吸水して元の形状に戻る高い復元性を示した。ゲルの構造をX線回折法で分析すると、水酸化ナトリウムを混ぜた後に凍らせたことで強固で安定な結晶構造に変化することが分かった。

またクエン酸を加えたことで水素結合を形成できる官能基が導入されてより強度が高くなったとみられる。

木材から抽出した天然の構造を持つセルロースは反応性が低い。ゲル材料としての応用が期待される中で活用ができず、用途が限られているという課題があった。

日刊工業新聞 2023年12月06日

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原子力機構の『価値』
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