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廃炉ロボコン、14校17組競う 小山高専が総合力で連覇

廃炉ロボコン、14校17組競う 小山高専が総合力で連覇

最優秀賞の小山高専のロボット

日本原子力研究開発機構と廃止措置人材育成高専等連携協議会(会長=田口重憲福島工業高等専門学校校長)は、「廃炉創造ロボコン」を原子力機構の楢葉遠隔技術開発センター(福島県楢葉町)で開いた。国内の13高専とマレーシア工科大学(マレーシア)の計14校17チームが参加し、それぞれが開発した原子力発電所の廃炉作業ロボットで遠隔操作の技術・技能を競った。

廃炉ロボコンは今回で8回目で、競技は福島第一原子力発電所の廃炉現場においてロボットを直接見れない環境を想定。有線ケーブルの遠隔操作でコース延長10メートルを走行する。スロープや垂直(高さ95ミリメートル)の金属板を乗り越え、高さ1・9―2・7メートルの壁にアームに設置したペンで除染を模擬した塗装を施す。一連の工程を実施してスタート地点に10分で戻る困難な作業で、4、5年生を中心に参加し、3回連続出場の生徒もいた。

福島高専はタイヤとクローラーを組み合わせて素早く移動・障害物を乗り越え、箱型アームで作業する「ディープラスプラス」で挑戦。小山高専はクローラー移動式クレーンをイメージし、4段アームを伸ばし除染作業する「ウオール・グラインダー・ナイン」を投入した。

舞鶴高専Bチームは重量感のある丈夫な設計のクローラー型ロボット「Kalexa」を、熊本高専の「47式洗車」はゴム製クローラーで段差などを乗り越え、除染作業では重心を安定させて遠隔制御を人工知能(AI)により画像監視して操縦した。

最優秀賞(文部科学大臣賞)は小山高専が2022年に続き受賞。優秀賞(福島県知事賞)には熊本高専が選ばれた。小山高専のチームは「ハードは何回も修正し、プログラミングの機器投入も試行錯誤した。目標に向け課題を抽出し皆で考えた経験を今後に生かしたい」とした。他のチームからも「試作を繰り返し総合力の高いロボットを作り上げた。失敗・改善の繰り返しが今後につながる」「人が対応できない環境で活躍するロボット開発を実現していく」などの声が聞かれた。

廃止措置人材育成高専等連携協議会の田口会長は「廃炉作業は今後も長く続く。全国の高専生による廃炉ロボコンを通じた課題発見・解決の努力が、チャレンジする人材につながる大きな一歩になる」と指摘した。

日刊工業新聞 2023年12月26日

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