「ほとんどない」電動建機市場を形成へ、コマツ社長が語った戦略
コマツの小川啓之社長は6日、2024年度から電動建設機械の市場形成に向けた取り組みに注力する方針を明らかにした。電動建機は高価格や充電インフラの未整備がネックになり「市場がほとんどない状態」(小川社長)。だが、今後はカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)や環境問題対応で電動化の推進が不可避とみて、製品開発や生産体制を強化する。
23年度は市場導入元年と位置付け、機械質量0・5―20トンクラスの4機種の電動ショベルを市場投入した。小川社長は導入の課題としてディーゼルエンジン車の約3倍する高価格と充電・給電インフラが問題と指摘。「日本において、コマツはマーケットリーダーであり、普及させていきたい」と語った。
電動ショベル価格の半分を電池やモーター、充電器が占めており、このコストを引き下げるための商品開発や改良を推し進めるとした。併せて11月に買収を発表した米バッテリーメーカーのアメリカン・バッテリー・ソリューションズ(ミシガン州)以外のバッテリーメーカーの買収や協業も進める考えを示した。
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日刊工業新聞 2023年12月07日