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三菱電機が市場投入、国内初「曲線型リニア搬送システム」が実現すること

三菱電機が市場投入、国内初「曲線型リニア搬送システム」が実現すること

来年をめどに市場投入する曲線型のリニアトラックシステム

三菱電機は2024年内をめどに、国内初となる曲線型のリニア搬送システムを市場投入する。タクトタイム短縮への要求が強い電子・電気業界や変種変量生産が多い食品産業まで幅広い業界をターゲットに置く。投入から5年後に年間300システムの販売を目指す。コンベヤー搬送に変わる次世代搬送システムとして訴求する。

リニア搬送システム(リニアトラックシステム)は、コイルが敷き詰められた線路上を磁石が搭載された「キャリア」と呼ばれる部品が移動する。キャリア一つ一つが独立して駆動でき、個別の位置決めが可能。線路上の後工程で加工対象物(ワーク)が滞留しても、前工程だけは生産し続けるといった柔軟性の高い生産ラインの構築に役立つ。

線路自体の剛性が強く加工台などにワークを移設しなくても、ロボットなどを利用して直接加工ができる。そのため加工台の設置が必要なコンベヤー搬送装置などに比べて設置面積を縮小できる。

三菱電機が開発したリニアトラックシステムは、搬送速度が最大毎秒4メートル。可搬質量3キログラムと同10キログラムの2種類のキャリアを用意した。当初は線路の長さが最長18メートルまでのシステムを提供予定。発売以降も製品の改良を続け、一つのコントローラーで制御できるキャリアの数を増やすなどの性能向上を図る。価格の詳細は今後詰める。

リニアトラックシステムは海外勢が先行している。ただ市場としては黎明(れいめい)期で、今後の市場拡大余地が大きい。三菱電機はサービス体制などが整った国内メーカー製を望む顧客の声などを踏まえ、19年ごろに本格的な開発に着手した。

摩耗しやすいローラー部分にプラスチックではなく金属製ローラーを採用して長寿命化したり、装置の立ち上げ前にデジタル空間上で稼働効果を検証できる同社製ソフトウエアに対応したりする点などを訴求して差別化する。

同社は29日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する「2023国際ロボット展」でリニアトラックシステムを参考出品する。


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日刊工業新聞 2023年11月28日

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