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マツダが通期予想を上方修正…「CX-90」など販売拡大、懸念の中国市場は?

マツダの業績が好調だ。北米を中心にクロスオーバースポーツ多目的車(SUV)「CX―90」といった付加価値の高い「ラージ商品」の販売が拡大。7日に発表した2024年3月期連結業績予想で売上高と各利益段階を上方修正した。いずれも達成すると過去最高を更新する。ただ、新エネルギー車(NEV)の勢いに押され販売が振るわない中国は販売計画を大幅に引き下げるなど油断できない状況が続く。

24年3月期の地域別販売計画について、SUV「CX―50」などが好調な北米は期初予想比4万1000台増の53万7000台に引き上げた。一方、中国は同3万4000台減の9万1000台に下げ、明暗が分かれた。

単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス。配当がある場合の上段カッコ内は前の期の実績、下段通期見通し

中国市場は販売価格の適正化などにより「底は打った」(毛籠勝弘社長)。25年をめどに現地パートナーと開発した新型電動車を投入予定。「販売網を立て直しつつ現地工場でレイオフ(一時解雇)せず回せるレベルで進める」(同)方針だ。

世界販売の4割前後を占める北米で市場改革を担った毛籠社長は、全体の業績について「経営効率の改善という観点で辛口の評価。まだ経営効率を上げていける可能性がある」と指摘した。

一括企画開発や変種変量対応の生産方式により低投資で稼ぐ構造が定着。ただ、コロナ禍などで販売台数が落ちると海外工場の収益性といった課題が浮き彫りとなったという。電動化については、11月1日付で開発や商品戦略を一元化した組織を立ち上げ、意思決定を迅速化。部品調達なども見直し、さらなる経営効率改善を狙う。


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日刊工業新聞 2023年11月08日

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