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若手研究者200人に1000万円…文科省がAI研究の挑戦促す

文部科学省は人工知能(AI)技術の研究や人材育成を加速するために2023年度補正予算で377億円を計上する。理化学研究所にAI開発用の計算資源と実験装置を整備し、研究向け生成AIの公開を当初計画から1年半前倒し25年とする。さらに213億円を基金化し、若手研究者などを資金面から支援する。200人に対して一人1000万円支援する。研究開発と人材育成施策を組み合わせることで相乗効果を高める。

生成AIの開発力強化と人材育成に向けた施策

24年度当初予算として139億円を計上していた3事業の一部を補正予算で前倒しする。事業規模は約3倍になる。

理研は大量の研究データを学習させた生成AIを開発する。画像処理半導体(GPU)を整備し、1000億パラメーター程度の生成AIを自由に試作できる環境を整える。1兆パラメーター以上の巨大な生成AIは産業技術総合研究所が整備する計算資源を利用。文科省と経済産業省で連携し、AI開発を効率的に進める。

AI人材育成では213億円を科学技術振興機構(JST)の基金に上積みする。若手研究者については200人に対して1000万円を5年間、博士後期課程の大学院生には600人に対して390万円を3年間支給する計画。AI分野の若手だけでなく、生命科学や材料、経済・社会などの異分野の研究者を支援。AIと専門分野との融合領域の開拓を促す。

一般に融合領域は研究者のキャリアとしてはリスクが高い。若手研究者が自由に独立して研究できる環境を整えて挑戦を促す。

生成AIの研究開発施策と人材育成施策を並行して進めて効果を引き出す。従来はAI研究者が少なく、研究事業を進めたくても人が足りない課題があった。

日刊工業新聞 2023年11月7日

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