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「超電導量子コンピューター」開放へ、阪大QIQBが共同研究を加速

「超電導量子コンピューター」開放へ、阪大QIQBが共同研究を加速

量子コンピューター(右のタンクが冷却装置、中央が制御装置)

大阪大学量子情報・量子生命研究センター(QIQB)は、年内にも64量子ビット超伝導量子コンピューターの開発にめどをつけ、クラウドを通じて共同研究先の企業などに開放する。11月初旬に16量子ビットチップから富士通製の64量子ビットチップに入れ替えて稼働する。共同研究を加速するほか、量子コンピューターで使用する国内メーカーの機器の再現テストの役割を担う。

QIQBは理化学研究所が保有する量子コンピューターに、ソフトウエアの設計などで参加。阪大で稼働する量子コンピューターはその構成を踏襲する。チップとともに中核を担う制御機器や、束になったケーブルを格納する冷却装置などを同様に配置する。

その一方で、純国産量子コンピューターの実現を模索する。使用する機器の国内メーカー比率を向上し、実証を繰り返しながら動作を安定させる。現在の理研の量子コンピューターとコンセプトが異なるシステムの構築を目指す。

クラウドを通じて開放する量子コンピューターの利用は、専用のソフトウエアを搭載した利用者のパソコンから量子コンピューターへ各種データを送信し、処理する仕組み。QIQBの強みとするソフトウエア部分で最適化を進めることで、効率的な運用を行っていく。

量子コンピューティングや量子情報融合など学際融合研究の発展を目指し、QIQBは先導的学際研究機構量子情報・量子生命研究部門として2018年に設立。量子コンピューターの研究開発のほか、企業などを対象にした勉強会なども適宜開催。それに基づいた共創研究なども始めている。

日刊工業新聞 2023年11月01日

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