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トンネル点検に強い味方、富士フイルムがAI技術でひび割れ検出

トンネル点検に強い味方、富士フイルムがAI技術でひび割れ検出

暗いトンネル内でも解像度が高い画像を得られる

富士フイルムは「トンネル点検DXソリューション」の提供を始めた。トンネル内をカメラで撮影し、人工知能(AI)技術でひび割れを検出。検出結果をクラウドで保管できるため、過去の点検結果との比較がしやすい。従来5―6人が目視で行っていた点検業務を3人程度で実施可能になり、作業者の負担軽減にもつながる。料金は個別見積もり。

9台のカメラで撮影した静止画を自動で合成し、展開図にする。3キロメートルのトンネルを対象とした場合、撮影した画像の展開図を作成するのに手作業では数カ月を要していたが、同ソリューションを用いると約1週間で完了するため、作業効率の向上につながる。点検対象となるトンネルは高さ6メートルほどを想定する。

まずは水力発電所などの水路トンネルを対象にサービスを提案する方針。北陸電力は2023年度のトンネル点検業務に同ソリューションを用いることを決めた。

富士フイルムは18年に橋梁(きょうりょう)やトンネルなどのひび割れを自動検出するサービス「ひびみっけ」の提供を始めた。ひびみっけで培ったAI技術と、デジタルカメラの光学技術を組み合わせ、トンネル点検DXソリューションとして展開する。


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日刊工業新聞 2023年10月31日

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