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超電導体の伝送損失、数十分の1に…電波望遠鏡を高感度にする成果

超電導体の伝送損失、数十分の1に…電波望遠鏡を高感度にする成果

金メッキしたテルル銅導波管(左)と純ニオブの導波管

名古屋大学の中島拓助教と情報通信研究機構の渡辺一世主任研究員らは、超電導の導波管で高周波の伝送損失を数十分の1に低減することに成功した。理論研究では超電導体は損失を増やすと予測されてきた。実際に作製すると損失を低減でき、電波望遠鏡などの高感度化につながる。

難削材のニオブを導波管に適用。エンドミルや切削速度などを多数試し、表面粗さ0・3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)で仕上がる加工条件を見つけた。100ギガヘルツ(ギガは10億)帯の高周波電波の導波管を作製し、4・8ケルビンの極低温で評価すると、伝送損失は1メートル当たり0・05デシベルだった。金やアルミニウムの数十分の1に相当する。

先行研究では超電導になると導波管壁面で伝送損失が上がると指摘されていた。導波管の太さは1・27ミリ×2・54ミリメートルあり、壁面の効果は限定的だった。伝送効率が向上すると受信機を高感度化できる。電波望遠鏡に応用すると、宇宙誕生直後の超遠方銀河の観測などが可能になる。


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日刊工業新聞 2023年10月20日

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