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極細超電導ワイヤ開発、由紀HDが新会社で研究開発本格化

極細超電導ワイヤ開発、由紀HDが新会社で研究開発本格化

直径15マイクロメートルの超極細MgB2超電導ワイヤの断面(物材機構提供)

由紀ホールディングス(HD、東京都港区、大坪正人社長)は金属間化合物を用いた極細超電導ワイヤの開発を手がける日本超電導応用開発(神奈川県茅ケ崎市)を設立した。物質・材料研究機構(物材機構)と共同で2018年から同ワイヤの開発に取り組んでおり、新会社の設立で研究開発活動を本格化する。9月に開かれる国際学会「第16回欧州応用超電導会議」(イタリア、3―7日)、「第28回マグネット技術国際会議」(フランス、10―15日)に出展し、成果を発表する。

由紀HDは従来、事業会社で特殊電線製造・販売を主力とする明興双葉(東京都中央区)の技術部門で物材機構との共同研究を進めていた。22年秋には世界最細となる直径15マイクロメートル(マイクロは100万分の1)で、しなやかさを備えた二ホウ化マグネシウム(MgB2)超電導ワイヤの開発に成功。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業に採択された。臨界温度34ケルビン(マイナス239度C)で超電導状態になる。

明興双葉の全株式を新昭和(千葉県君津市)へ譲渡、新たに日本超電導応用開発を設立して機能を移管した。新会社の最高経営責任者(CEO)は由紀HDの大坪社長が務める。

日刊工業新聞 2023年07月31日

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