「無水小便器」日本の新築に、事業拡大狙うスイス・ウリマットの戦略
スイスのウリマットは無水小便器「ウリマット」の商品ラインアップを拡充し、日本の新築向け販売を本格化する。これまで主にビルや駅など公共の建物での改修向けに床置き型と壁掛け型小便器を提供していた。これに加え、国内の新築物件で多く採用されている、通常の壁掛け型と比べリップ部(前方に張り出した受け部)の高さが低く設計された低リップ型小便器を2024年1月に投入する。新築から改修まで幅広く対応できるようにし、日本での事業拡大を狙う。
「ウリマット」は本体と弁の機能を持つカートリッジで構成される。尿がカートリッジ内部の微生物を含んだクリーナーを通ることで、微生物が尿素を分解し、臭いや排水管内部の尿石の発生を抑える。日常の清掃も微生物を含んだ洗浄液を使用し、水の使用が最小限に抑えられる。
ウリマットは海外で壁掛け型の樹脂製2種と陶器製1種を展開している。しかし、日本では大人から子どもまで使いやすい縦長の床置き型や、壁掛け型でも床置き型同様に小便器の縁が床近くにある低リップ型が主流。特に現在の新築向けは清掃性を重視し、床から浮いている低リップ型の需要が多いため、同社は新商品を24年に発売する。
製造は国内メーカーに外部委託して、日本法人のウリマット・ジャパン(東京都港区)が販売する。消費税抜きの価格は24万5000円。25年までに3000台の販売を目指す。
同社は25年までに国内でシリーズ累計6000台の販売を目標に掲げている。新築向けに需要の高い製品を拡充することで、環境意識の高い企業や団体の受注を取り込む。
日刊工業新聞 2023年10月18日