精密金属加工メーカーが本気で作り混んだ「名刀」レプリカの再現度がすごい!
なまめかしい光を放つのは、約6分の1サイズで忠実に再現した国宝の太刀「大包平(おおかねひら)」だ。全長は16・6センチメートル。金属材料から削り出して作るこだわりの1本は、新潟プレシジョン(新潟県十日町市、星輝彦社長)が製造・販売している。1996年の会社設立以来、初めての一般消費者向け製品だ。
銀座 蔦屋書店に工場発「モノづくり」ポップアップショップが出現!18社・約70製品が集結【売るつもりはまったくなかった】
同社は生産自動機向け金属部品などの加工が主力だ。主な生産拠点を新潟県十日町市と同魚沼市に置く。切削、研削、放電加工などの機械を設備し、精密な少量多品種の生産を得意とする。星社長は「技術を組み合わせ、図面さえあれば何でも作れる」という。年間売上高は例年5―6億円、従業員数は約40人。
転機は2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行だった。19年、東京都内の工業系展示会で自社の加工精度を見せるためのサンプルとして日本刀のミニレプリカを出展。外国からの来場者が「飛行機で持って帰れる」と面白がって5本購入した。星社長は「売るつもりはまったくなかった。だがこれでBtoCをやれると思った」と振り返る。しかしその直後、コロナ禍が拡大。本業の減りを補うように、日本刀の寸法を割り出すための資料を集め、再現度も高めた。
結果、刃先の模様「刃文」や作者銘のほか、欠けた部分も実物とほぼ同じにできた。EC(電子商取引)サイトを中心に、「精密日本刀」のシリーズ名で戦国武将の刀など複数の名刀をラインアップに加えている。星社長は「試行錯誤に3年かけた。時間が作れたからできたこと」と語る。
【日々の仕事の原動力に】
大包平をはじめとする精密日本刀の製造は、同社の魚沼工場(同魚沼市)が手がける。曲面を表現しやすいというソディック製マシニングセンター(MC)「UH430L」で、金属材料から全てを削り出す。刀を飾る台も、協力工場での処理により漆のような質感に仕上げる。星社長と二人三脚で改良を重ねる江口篤取締役は「普段は(決まった図面に)しばられたモノづくりをしているが、精密日本刀は違う。ワクワクしながらやっているし、日々の仕事の原動力にもなる」と話す。
本物の刀になるべく似せるのが同社のこだわりだが、刃先は少しつぶす。星社長は「最初は高級ペーパーナイフとしての売り出しも考えたが、ここまでしたなら芸術作品として飾ってほしい」という。最近は精密日本刀が魚沼市のふるさと納税の返礼品に加わり、地域の特産品になりつつある。今後は店頭などでも手に取って購入できるよう、販売ルートの開拓を進める方針だ。
商品情報
シリーズ名:戦国武将刀身シリーズ
商品名:【国宝】 太刀 「大包平」
用途:鑑賞用
サイズ(mm):全長166mm 刃長132.5mm
価格(税込):134,400 円(税込)
販売サイト:https://np1-katana.jp/sengoku
企業紹介
(株)新潟プレシジョン NIIGATA PRECISION CO.,LTD.
所在:〒949-8617 新潟県十日町市中条己1684-1
従業員数:約40名
事業内容:精密金属加工
FACTORY’S GOODs 詳細情報
ポップアップショップ @銀座 蔦屋書店
会期:2023年 11月3日(金・祝)〜4日(土)12:00~20:00(最終日は19:00)
会場:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM (東京都中央区銀座6丁目10−1 GINZA SIX 6F)
https://store.tsite.jp/ginza/
入場登録:不要
入場料:無料
店頭タイアップによるフェア @銀座 蔦屋書店
会期:2023年10月21日(土)~11月5日(日) 10:30~21:00
会場:銀座 蔦屋書店 (東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F)EATALY側展示台
https://store.tsite.jp/ginza/
技術展示&ポップアップショップ @東京ビッグサイト
会期:2023年 11月29日(水)〜12月1日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 西2ホール (G-01)(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要(詳細は https://autumnfair.nikkan.co.jp/ 参照)
入場料:1,000円(入場登録者、招待状持参者、中学生以下無料)
特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/
展示会スポンサー
株式会社ソディック
株式会社青山財産ネットワークス
日進工具株式会社
牧野フライス精機株式会社
碌々スマートテクノロジー株式会社
一般社団法人日本工作機械工業会
株式会社アマダ
モノづくり日本会議