こだわりを形にする銅加工メーカーが手掛ける純銅製クッカー
銅が人類の歴史に登場したのは1万年前。人間との付き合いが最も長い金属だ。栃木県真岡市に工場を構える、プレス加工メーカーの佐野機工はこの銅の加工を得意としてきた。そんな同社が同じく真岡市に拠点を置く登山系ガレージブランド「Nruc」(ヌルク)とコラボレーションし、完成させたのが、純銅製クッカー「GENTLE HIKER’S COOKER(ジェントルハイカーズクッカー)」だ。
銀座 蔦屋書店に工場発「モノづくり」ポップアップショップが出現!18社・約70製品が集結【経年劣化の風合いが魅力】
本体となる「深鍋」は高さ98mmで、蓋やコップなどにできる「浅鍋」の高さは32mm。深鍋には細い注ぎ口が加工されており、コーヒーをドリップするためなどにも使用できる。中には110サイズのガスカートリッジと小型ストーブ、マッチなどの小物がすっぽり納まる。
従来、キャンプや登山グッズは少しでも荷物を軽くすべく、アルミやチタンなどが選択されやすい。しかしGENTLE HIKER'S COOKERはあえて、純銅だけが持つ柔らかい輝きと経年劣化の魅力にフォーカス。使い込むにつれ、まばゆいコッパーの輝きから1つとして同じものはない独特の風合いが現れ、そして「自分だけの」クッカーとして育っていく。
【注ぎ口の妙と美】
シンプルな構造だが、佐野機工による加工技術が随所に光っている。同社が得意とするプレス加工とは金属加工における量産技術の代表だ。金属を決まった形にはめ込む金型と、上から大きな圧力を加えるプレス機械を使い、大量生産を行う。プレス加工において最も重要なのはいかに正確な金型を作りこむか。作り上げる前のトライアンドエラーがカギなのだ。
「今回一番難しかったのは注ぎ口の『細さ』。少しずつコーヒーをドリップしていくお湯の流れを再現できる細さはどれくらいか。数値化できない感覚を形にするため数えきれないくらい試作した」(佐野仗侊社長)。
実は単に注ぎ口を作るだけならここまで難しくはない。金属の厚さや製品の大きさ、加工圧力を加味して「できる範囲」の形を提示してしまえばいい。しかし、それは「佐野機工の仕事」ではないのだ。
細い個所をプレス加工するには小さい個所にそれだけ大きな圧をかける。そうなれば、深鍋の円の形にも影響を及ぼしかねない。浅鍋と深鍋がきちんとはまるよう、金属が伸びてほしいところを伸ばし、他はしっかり固めて割れやシワなどを防ぐ。
同社には通常の量産より開発案件が持ち込まれることが多い。そしてそれらを形にし、売り上げの柱としてきた。同社が今後も求めるのは挑戦だ。もし開発案件で悩んでいる企業があれば、その悩む時間をぜひ当社に預けてほしい、と佐野社長は自信をみせる。
商品情報
シリーズ名:made in ''MOKA'' Nruc × SANOKIKO
商品名:GENTLE HIKER’S COOKER
用途:純銅製クッカー
サイズ(mm):外径φ115×H124mm
価格(税込):23,100円
販売サイト:https://sano-koyo.shop/
企業紹介
(有)佐野機工 Sanokiko Co., Ltd.
所在:〒321-4363栃木県真岡市亀山1942
従業員数:36名
事業内容:プレス加工、金型設計製作、銅製品・防犯用品等の自社開発・製造
FACTORY’S GOODs 詳細情報
ポップアップショップ @銀座 蔦屋書店
会期:2023年 11月3日(金・祝)〜4日(土)12:00~20:00(最終日は19:00)
会場:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM (東京都中央区銀座6丁目10−1 GINZA SIX 6F)
https://store.tsite.jp/ginza/
入場登録:不要
入場料:無料
店頭タイアップによるフェア @銀座 蔦屋書店
会期:2023年10月21日(土)~11月5日(日) 10:30~21:00
会場:銀座 蔦屋書店 (東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F)EATALY側展示台
https://store.tsite.jp/ginza/
技術展示&ポップアップショップ @東京ビッグサイト
会期:2023年 11月29日(水)〜12月1日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 西2ホール (G-01)(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要(詳細は https://autumnfair.nikkan.co.jp/ 参照)
入場料:1,000円(入場登録者、招待状持参者、中学生以下無料)
特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/
展示会スポンサー
株式会社ソディック
株式会社青山財産ネットワークス
日進工具株式会社
牧野フライス精機株式会社
碌々スマートテクノロジー株式会社
一般社団法人日本工作機械工業会
株式会社アマダ
モノづくり日本会議