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EV・パワー半導体需要を追い風に、アドバンスコンポジットがグラファイト系複合素材の売上高30億円見込む

EV・パワー半導体需要を追い風に、アドバンスコンポジットがグラファイト系複合素材の売上高30億円見込む

アドバンスコンポジットの「ACM―Hシリーズ」

アドバンスコンポジット(静岡県富士市、庄司隆敏社長)は、独自開発のグラファイト系複合素材「ACM」について、2026年3月期の売上高を24年3月期見通し比約4倍の8億円に引き上げる。28年3月期には同約15倍の30億円を見込む。設計自由度を向上し素材の物性値をニーズに合わせられる「ACM―Hシリーズ」5品種を展開。電気自動車(EV)やパワー半導体関連の放熱・冷却需要の伸びを追い風に受注拡大を目指す。

ACM―Hシリーズはグラファイトとアルミニウムを複合化して製造するアルミニウム基の複合材。自動車や電子機器、モーターなどの放熱部材としての用途を見込む。5品種のうち、ある程度の熱伝導率を保ちながらヤング率や加工性などをバランス良く向上させた「H4」と「H5」のサンプル供給を始めた。25年春ごろの量産化を見込む。

銀や銅を超えてダイヤモンドに次ぐ熱伝導率を持ちながら、炭化ケイ素(SiC)半導体並みに熱膨張率が小さい「H1」「H2」「H3」については、既に量産化技術を確立した。現在保有する生産設備で、売上高ベースで数十億円程度を量産できる。

放熱素材は現在、アルミニウムや銅が主流だが、金属特有の大きな熱膨張という特性があり、同社は放熱材として使うには難があるとみている。ACMは高放熱と低熱膨張を併せ持つため、高性能品における放熱市場での期待が高い。ACM―Hシリーズは、素材特性の設計自由度を高めたことで熱伝導率や熱膨張率などを大幅に向上した。

同社によれば、放熱産業の国内市場は00年に約200億円だったが、23年は4300億円まで市場が急拡大している。


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日刊工業新聞 2023年10月04日

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