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大型RC部材を現場施工、大成建設が移動式3D造形技術を確立

大型RC部材を現場施工、大成建設が移動式3D造形技術を確立

鉄筋の近くでも効率的な施工が可能になる

大成建設は大型の鉄筋コンクリート(RC)部材向けに、多関節ロボットと建設用の3次元(3D)プリンターを組み合わせた移動式の3Dプリンティング技術を確立した。レール上を水平移動する多関節ロボットのアーム先端にノズルを装着し、3次元的に制御することで大型部材の作成と適正な鉄筋かぶりでの造形に成功した。建設現場での実証を重ね、実用化を目指す。

複雑に動作する多関節ロボットのアーム先端にノズルを装着することで、鉄筋の近くでも斜め方向からアプローチする3Dプリンティングを可能にした。最大で長さ7・2メートルの鉄筋コンクリート部材を製作できる。レールを延伸すればより大きな部材にも対応できるほか、自由曲面を持つ鉄筋コンクリート構造物の現場施工も実現できるという。

建設用3Dプリンティング技術は一般に、作製できる部材の寸法が装置の可動範囲内に限られる。またプリント材料を押し出す場所へのノズルの動きが鉛直方向に限定されるため、接触を避けるために過剰な鉄筋かぶりを必要とすることなどが課題となっていた。


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日刊工業新聞 2023年09月28日

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