ブリヂストンがロボの手足になる人工筋肉を開発した!
ブリヂストンは左右に曲がる人工筋肉を開発した。板バネを挟むように2本のチューブを配置すると、膨らませたチューブの側に曲がる。1本でキログラム単位の力が出せる。ロボットハンドの指に採用すると開いて閉じる動作が可能になる。ロボットのアクチュエーターに提案していく。
マッキベン型人工筋肉を屈曲するように設計した。マッキベン型人工筋肉は高強度繊維を編んだスリーブの中にゴムチューブを入れて膨らませる。チューブが太くなると人工筋肉として縮む力を発生させる。この中に板バネを入れて伸縮を屈曲に変換した。
板バネの左右にチューブを配置して膨らませると、膨らんだ側に人工筋肉が曲がる。1方向の屈曲ではハンドの指を閉じることしかできなかったが、2方向に屈曲できると開いて閉じられる。ロボットの足に利用すると前に振り出してから後ろに蹴るような動作が可能になる。
空圧駆動のため軽く、キログラム単位の力を出せる。歯車がないため衝撃で欠ける心配がない。水や砂などにも強い。シンプルな構造のため長尺の人工筋肉を作れる。伸縮型はメートルサイズの人工筋肉を作製している。
軟らかい身体や動きを制御するソフトロボティクス分野に提案する。ハンドの位置決めが甘くても人工筋肉が変形してずれを吸収したり、不定形物であっても形に合わせてつかんだりできる。社内ベンチャーの「ソフトロボティクスベンチャーズ」で事業化を検討する。
日刊工業新聞 2023年09月22日