独自製品「タングレス・インサート自動挿入装置」に新機能、ジャノメが自動車など訴求
ジャノメはネジ穴を補強する材料「タングレス・インサート」を自動挿入する装置に、ツール(タングレス・インサート専用挿入ビット)自動交換機能を付与した機種を開発した。コイル径に合わせて最大4種類のツールを切り替えられる。サイズの異なるタングレス・インサートを一度に挿入したい顧客ニーズに応える。年間30台の販売を目指す。
ジャノメのタングレス・インサート自動挿入機は、同社製卓上ロボットにドライバーを搭載。タングレス・インサートを拾い上げ、適切な圧力をかけながらツールに巻きつけ、加工対象物(ワーク)のネジ穴に挿入する。
従来は手作業だった補強材挿入工程を自動化することによって、生産性向上につなげられる。接触センサーも持つことで挿入具合や浮き加減、欠品なども自動で検出できる。
ツールの自動交換機能を付与したタイプは、販売価格400万円程度からを想定する。追加オプションとして架台やカバー、エリアセンサーなどもそろえる。既に受注を開始しており、大手電子部品メーカー向けに納品実績も出ている。
タングレス・インサート自動挿入機はジャノメ独自の製品で特許を出願中。手作業での挿入作業は単純だが、繊細な力加減など一定の熟練度が求められる側面がある。同社は手作業工程を自動化したいユーザーに同機を提案することで市場を開拓する方針。自動車や航空機、産業用ロボット、医療機器など強い締結力が必要な業界に訴求する。
日刊工業新聞 2023年09月21日