借入額60億円以下に改善、ジャノメが進める“攻めの投資”の中身

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コロナ禍による設備投資意欲の減衰により業績を落とした製造業が見られた中、ジャノメの2021年3月期連結決算は過去最高(1978年以降)の営業利益率11・2%を記録。株主資本利益率(ROE)も14・6%と前期からのV字回復を果たした。22年3月期連結決算は若干前期から下振れたが、高水準を維持。「発射台が高くなっている状態」(大島毅之取締役常務執行役員)で、22年度には次の100年を念頭に持続可能な成長を目指す新中期経営計画をスタートさせた。

21年3月期は巣ごもり需要で家庭用ミシンの販売台数が急増。販売台数は前期から50万台増の184万台となる特需が発生した。国内外でボリュームのある需要が発生したことで生産性が向上。一方、販促費や物流コストは減少する理想的状況が生まれ、財務指標が良い方向に振れた。現在も高付加価値の高級機種の販売などが好調に推移する。

こうした背景もあり借入額は22年3月期時点で60億円を切る水準まで改善した。「将来に向けた攻めの投資が行えるようになった」(同)として、本社(東京都八王子市)の再開発プロジェクトなどを公表。同プロジェクトの一環で家庭用機器事業に次ぐ第2の柱として期待する産業機器事業の生産体制を強化する予定だ。

同事業で展開する卓上ロボットやサーボプレスはスマートフォンなど電子関連や自動車業界などで使われる。両製品の年間販売台数は合算で約3000台と将来に向け大きな伸びしろがある。投資によって利益を生み、配当として株主還元する好循環を生み出す。

21年10月に創業100年を迎えたジャノメ。積極的な設備投資や、総還元性向30%を目安とする議論など、攻めの経営をする「新生ジャノメ」へ好スタートを切った。25年3月期目標の営業利益率10・4%やROE10%以上は決して易しい計画ではないが、「(21年3月期に達成したことで)答えは一度見ている。決して不可能ではない」と自信を示す。

日刊工業新聞2022年7月28日

キーワード
ジャノメ 経済 財務分析

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