OKIエンジがリチウム電池耐久評価の新サービス
OKIエンジニアリング(東京都練馬区、中井敏久社長)は、リチウムイオン電池(LiB)搭載機器に外部負荷を与えた際の耐久性や延焼性を確認する評価サービスを26日に始める。約2000万円を投じてオーダーメードの装置を導入し、焼損後に発生するガスの採取まで可能な仕様とした。価格は個別見積もり。産業、医療、車載機器のメーカーを中心に訴求し、初年度に電池の良品解析を含めて5000万円の売り上げを目指す。
新サービスは強制的にLiBに負荷を加えることで、どの程度の負荷をかけると焼損、発火現象が発生するかなどを調べ、電池の焼損における耐久性を確認する。また、焼損・発火が発生した際に、電池搭載機器の状態がどうなるかを見ることで、製品の延焼性や発生するガスの分析もできる。
OKIエンジニアリングはLiBを採用する製品のセットメーカーの立場で評価試験を担う。このほど導入した電池評価槽は、電池容量が6000ミリアンペア時程度の電池焼損に耐える。LiBの焼損耐性評価の項目は、電池の電圧値や電流値、温度など。外部負荷の種類は、釘刺しや圧壊、過充電や外部加熱。
スマートフォンや、スマートウオッチ、イヤホンといったウエアラブル機器の市場拡大に伴い、LiBを起因とした焼損事故も増加傾向にある。また、機器の使用時間の長期化に伴う電池容量の拡大に比例して焼損発生時の被害も大きくなると想定されている。
同社では、LiB搭載機器などの焼損解析や良品解析、延焼性評価、ガス分析まで一気通貫で対応する。
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日刊工業新聞 2023年09月13日